IC3 グローバルスタンダード5(GS5)合格認定証(紙)の発行および郵送終了のお知らせ

高専連携 取り組み報告

3学期のまとめ・1年間の総括

概要

学習科目 キー アプリケーションズ
(ワープロソフト・表計算ソフト・プレゼンテーションソフトといった代表的なアプリケーションに共通する機能や、各々の操作方法など)
授業時間 合計 16時間 (2時間×8週)
使用教材 「完全攻略IC3テキスト」(日経BPソフトプレス)、eラーニングの問題量を補うため「IC3模擬問題集 2005スタンダード対応」(FOM出版)を補助教材として使用
直前セミナー 3月18日(火)10:00~15:00 日本工学院専門学校
主な内容:IC3テキストをもとに操作の確認と解説

※ IC3 2005スタンダードの試験終了に伴い、IC3ベンチマークは販売を終了しました。

取組みの感想

朋優学院高等学校 地村先生 「IC3の授業と高専連携についてのまとめ」

今年度のIC3の授業は、1学期の「コンピューティング ファンダメンタルズ」(以下、CF)、2学期は「リビング オンライン」(以下、LO)、3学期「キー アプリケーションズ」(以下、KA)を学習しました。
教材は、日経BPソフトプレス「完全攻略IC3テキスト」を使用し、問題量の不足を補うためにFOM出版「IC3模擬問題集」を補助教材として用いました。
授業は2時間続きで行い、1学期のCFは1時間目にパワーポイントのスライドを使って重要用語を中心に解説を行い、2時間目は問題演習を行いました。この問題演習は、eラーニングの「IC3ベンチマーク」のなかで、学習サポート機能のついた「メンター」を使用しました。しかし、どうしても実習よりも講義の部分が多くなり、生徒は少々退屈したかもしれません。
LOの分野は、インターネットや携帯電話など生徒の日常生活に密着した分野なので、1学期のCFよりも生徒は楽しく学習に取り組めたと思います。
KAの分野はほとんどが実習の時間でしたが、範囲が広すぎて授業内に消化しきれない部分が出てきてしまいました。逆に問題はIC3ベンチマークでは少々物足りなかったので、補助的にaotenの「スキルチェック」を利用しました。
この一年間、日本工学院専門学校様には生徒だけではなく、教員もIC3の指導方法をアドバイスいただき大変感謝しています。受験1週間前には直前セミナーを開講していただき、総復習と受験へのモチベーションを上げる効果がありました。また、2学期にはIC3の受験機会を日本工学院専門学校様の文化祭「かまた祭」に設けていただきました。
この高専連携の最大の成果は、学校の教員以外の先生に指導していただくことが大変新鮮で、大きな感動があり、生徒の学習へのモチベーションが上がったことにあると思います。日本工学院専門学校の佐藤先生、山崎先生には大変お忙しい校務の中、ご指導下さったことにあらためてお礼申し上げます。
また3学期は日本工学院専門学校様に開設して頂いた情報交換用のブログを立ち上げ、これを利用して授業の感想や疑問点を日本工学院の先生方から回答・アドバイスしていただきました。
平成18年度は3学期に一気に3科目を受験したので、あまり良い結果を得ることができませんでした。そこで19年度は学期ごとに終了した分野から順次受験をしたため、不合格だった科目は次回に2科目受験することができ、結果的に合格率を高めることになりました。
6名の受講者の内、合格者数は以下のとおりです。なお3科目合格者のうち1名はMicrosoft Office Specialist Excel 2003に挑戦して1,000点満点を取り世界学生大会にエントリーすることになりました。

科目合格者数
3科目3名
2科目1名
1科目1名
平成20年度は、教育課程の変更により、残念ながらIC3の授業はないためパソコン部の生徒に受験をすすめるつもりです。そして21年度からは情報科の単位数増加に伴い、普通コース全体の授業でIC3に取り組んでいきます。
最後に昨年度のIC3の授業に際しては株式会社 オデッセイ コミュニケーションズの皆様に大変お世話になりました。この稿をおかりしてお礼申し上げます。

生徒の声 1年間の授業を通して ~アンケート結果~

1.IC3の授業の感想

  • ・ 通常の授業では得られない知識を教えてもらえて役に立った。1年間楽しく勉強できたと思う。
  • ・ 残念ながらまだ1科目も取得できないが、これからも頑張って勉強し、取得したいと思っている。
  • ・ 実践的なパソコンの勉強が出来てとてもよかったです。
  • ・ この授業でパソコンの内部が勉強でき、また実際に分解・組み立ての授業にも参加できたのでとても楽しかった。
  • ・ PCにふれる機会が多く、自分の知識に広がりができたと思います。
  • ・ ワード、エクセルのスキルがとても上がりました。通常の授業だけでは無理だったと思います。

2.高専連携の授業について

  • ・ 専門学校の授業を実際に受けることができて大変嬉しかった。
  • ・ 試験の直前に授業の総復習ができてためになった。
  • ・ 直前セミナーを受けて、受験が間近に迫っていると感じて勉強しなければ合格できないと思いがんばりました。
  • ・ 直前セミナーでは大変親切にまた丁寧に指導して下さいました。有り難うございました。

3.eラーニング学習の感想

  • ・ 教科書や参考書で勉強するよりもずっと分かりやすく、試験にも対応できたと思う。
  • ・ とても便利なシステムだと思います。
  • ・ 実際の試験に対応しているので本番の試験でとまどうことなく受けられた。
  • ・ 実践形式の練習に最適だと思います。
  • ・ 家で勉強できるのが便利だと感じました。

4.IC3の授業への要望

  • ・ 解く問題(ワーク)量をもっと多くした方が良いと思います。
  • ・ eラーニングは便利だけれどこれに頼ってばかりではいけない。教科書もしっかり学習する必要があると思う。
  • ・ 主な実習がeラーニングだけなのでもっと実習の時間を増やして欲しかった。ちょっと講義の時間が長いと感じた。
  • ・ もっと実習の時間を増やした方が良いと思います。

5.IC3の授業を受ける後輩へのアドバイス

  • ・ 先生がおっしゃった重要なことはこまめにメモをした方が良いと思う。
  • ・ テストは意外な問題が出題されるので、eラーニングが完璧だからといって安心しないで参考書も十分に勉強して下さい。
  • ・ 参考書を読むだけではなく、できるだけ問題を多く解くことをすすめます。
  • ・ 年度中に1科目でも取得しておくと将来に絶対役立つと思う。
  • ・ 一度、試験に落ちても次回の試験で同じような問題がでる可能性が高いので、間違えたところを集中的に繰り返し勉強すればよいと思います。
  • ・ eラーニングを繰り返して練習すればよいと思います。
  • ・ 何回も繰り返し問題を解くことをすすめます。

日本工学院専門学校 佐藤先生

1.直前セミナー

今回のキー アプリケーションズでは、今までとは異なったアプローチの試験対策講座を実施しました。
生徒さんたちは、授業の復習とIC3試験対策にeラーニングを使い、4択問題に慣れてしまっている部分があるような気がしていました。そのため、今回は実際にアプリケーションを操作して、模擬問題を解答する方法で実施しました。
答えなれた問題のはずが、結構手間どっている様子でした。操作の理解を深めるという意味では、効果があったのではないでしょうか。

2.eラーニング

生徒さん達は、eラーニングにとても熱心に取り組んでいました。
「メンター」モードは何度でも実施可能なために、ほとんどの問題で正解となるまで繰返して解答していました。そのため、確認テストに利用した「ベンチマーク」モードでもよい点数が取れていました。
生徒さんにとってeラーニングは、学ぶことに興味を持って取り組んでもらえる学習の道具であることを実感しました。
このeラーニングがより効果的に使えるようにするために、改善をお願いしたいことが2点あります。

◎ 学習履歴の記憶する機能が、最新の学習履歴のみを記録するようになっています。
この履歴の管理を、過去の学習履歴をすべて記録できるようにしていただきたい。

◎ 「ベンチマーク」も何度も実行できるようにしていただきたい。

このことによって、よりこのeラーニングシステムが効果的に利用できるように思います。

3.IC3教育の今後について

朋優学院高等学校 地村先生の授業を見学させていただき、IC3に専門学校生が取組む場合と、高校生が取組む場合では、授業を展開する際の生徒の興味を引くための補助教材などが異なる事を教えていただきました。
取組むものは同じIC3であっても、取組む対象者が異なればテキストを補うためのコンテンツはおのずと変わるものですよね。高校生、専門学校生、社会人、それぞれに持っているバックボーンが異なります。そういった、さまざまな人に対してのテキストを補うコンテンツが、共有できる。そんな仕組みが出来上がるとうれしいですね。
現在、私はIC3の英語版にチャレンジしています。ITエンジニアを目指す学生の英語学習の入口として、有効なのではないかと考えて始めました。しかし、まず気付いたのはテキストに出てくるコンピュータ文化の違いです。英語版にチャレンジしなければ、気づかなかったことでしょう。こんなことも、今後のIC3教育にうまくフィードバックできたらと考えています。

今回の高専連携を通じて、「学び」に対してたいへん多くのことを気づかせていただきました。
朋優学院高等学校の地村先生、生徒の皆さん、株式会社 オデッセイ コミュニケーションズの皆様、ありがとうございました。

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