山村学園短期大学では、今年度の後期日程から、IC3をコミュニケーション学科のカリキュラムに導入します。
そのIC3導入の理由やカリキュラム編成についてのお話を、情報科の中島 禎志さんに伺ってきました。
貴校では、資格取得のための講座を開設していますね。
はい。資格取得を目的とした「資格対策科目」を、平成元年から各学科のカリキュラムに組み込んでいます。この科目は、近年、新卒採用枠がだんだん狭くなってきた社会的な背景を踏まえて、在学中に実践的なスキルを学生に身に付けてもらうことで、少しでも就職活動を有利にしてほしいとの考え方から開設しました。
そのため対策科目では、言語、ビジネス、福祉など、社会で即戦力として認識されるような資格をピックアップして導入しています。
資格対策科目には、どのような特色がありますか。
保育学科なら福祉に関する資格、コミュニケーション学科なら、コンピュータ・語学・会計・金融などのビジネスに関する資格というように、学生が在籍している学科の特色を活かした資格で構成しています。また、この科目では、資格試験に合格すれば、授業期間中でも単位を認定するシステムを取っています。
その資格対策科目に、IC3を導入しようと思われたのはなぜですか。
今は、パソコンが一家に一台普及しているような時代なので、学生たちは既にコンピュータの基礎を身に付けて入学してくるだろうと思っていました。ところが、いざ授業を始めると、ネチケットがわからない、ファイルの整理・インストールができないなど、コンピュータの基礎を知らない学生が意外に多く、最初にその基礎を教える必要性を感じました。そして、初心者にも無理なく理解させる方法を試行錯誤していた時にIC3を知り、情報を収集してみると、私が考えていた指導内容が全て網羅されていました。
そこで、まず自分で試験を受けてみて、授業にも反映できる内容だと確信してから、導入に向けて動き出しました。ちなみに、このIC3の授業は、コミュニケーション学科のビジネスコミュニケーション科目「情報システム論」で、9月下旬から開始されます。
IC3は3科目で構成されていますが、その中でも大切だと思う科目はどれですか。
コンピューティング ファンダメンタルズですね。この科目はコンピュータの仕組み、ソフトウェアの種類と分類、それから、ファイル管理、インストールなど、コンピュータを理解するのに必要な知識で構成されていますので、ここで学習する内容を覚えていれば、一般的に使用するレベルでは困ることはないと思います。
新科目に対する学生の反応はいかがですか。
夏季休暇に入る前に、後期日程から始まる新科目の紹介という形で、学生に告知をしました。そこで、IC3はコンピュータを操作する上で必要な基礎知識の学習ができて、これから重要視される資格だということを説明したところ、現在、13名程度の生徒が受講を希望しています。
IC3についてのこれからの展望をお聞かせください。
当短大では、以前からWord、Excelの機能を学ぶ講座を開いていますが、「内容が難しい」との声が学生サイドから上がっていました。
IC3は、この2つのアプリケーションの機能・操作をはじめ、広範囲でのコンピュータの基礎が学習できますので、基礎から応用へのステップ作りを行うことで、理解しやすいITの学習環境を短大内に作ることができるのではないかと思っています。
このIC3の導入で、これから当短大のコンピュータ学習がどう変わっていくのかが楽しみです。
※掲載内容は2003年9月取材時のものです。